どうも、ペリペンです。
今回は少し本来のブログの趣旨とは異なってしまいますが、機械つながりということで、ドラえもんについての考察をしていきたいと思います。
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みなさんは、ドラえもんのひみつ道具にどこまでの力があるのかを考えたことはあるでしょうか。
22世紀から来たドラえもんは、「どこでもドア」や「タケコプター」といった、みんなが欲しがるような、不思議で便利な道具を多く持っています。他にもどんな食べ物でも出てくる「グルメテーブルかけ」であったり、地球を破壊してしまう道具、人を消してしまう道具まで存在します。こういった道具が存在していながら、22世紀はどのようにして秩序を保っているのだろうか、という点も非常に興味深いのですが、今回は現実的なことは置いておいて、より面白いであろうひみつ道具の持つ力の限度について考えていきたいと思います。
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筆者が考える中では、ひみつ道具にはパラレルワールド(=多元宇宙)を作り出す力、そしてその宇宙間を移動する力があるということが最も強力であると考えています。
さて、順を追って説明していきましょう。
タイムマシンともしもボックスを用いてその性質が示される事例が映画「新・魔界大冒険」にあるので、それを踏まえて解釈をしていきたいと思います。
(あくまでひとつの考えでしかないことをお忘れなく。)
※以下、映画「新・魔界大冒険」のネタバレあり
新・魔界大冒険では、もしもボックスで"もしも魔法が存在していたら"を現実化します。
結果、魔法世界は現実世界の"科学"を"魔法"に置き換えた世界になります。(少なくともドラえもんとのび太はそう解釈します)
このとき、現実世界では"天変地異によってブラックホールが接近している"というバックグラウンドがあったのですが、もしもボックスによって 科学→魔法 と置き換えられたため、ブラックホールは魔界星に置き換えられ、"魔界星が接近している"ことが現実になりました。
こののち、諸事情ありで魔界星へ行くことになったのび太、ドラえもん、その他もろもろなのですが、その魔界星にてのび太とドラえもんがタイムマシンを使うシーンがあります。これは、タイムマシンで彼ら自身がもしもボックスを使用する前の時間に戻り、使用をやめさせようと試みたからです。(これにはしずかちゃん、ジャイアン、スネ夫が魔界星人に捕まってしまい、のび太とドラえもんだけ唐牛で生き残っている、といった絶望的な背景があります。)
このとき、魔界星人であるメデューサが彼らを倒そうとタイムマシンの後を追って、タイムホールを通じて現実世界(であった時間帯)に入り込んできます。
もちろんそこは科学の世界であり、メデューサは魔法世界の人間です。
もしもボックスの効果が適用される前の時間であるなら、メデューサは魔法を使うことができるはずもなく、そもそも現実世界の誰か(ブラックホールに住人がいるのかどうかという話にはなるが)に置き換えられるはずです。
しかしそうはならず、メデューサは魔法を現実世界でも使い続けることができ、その力でのび太とドラえもんを石にしてしまいます。その後ドラミちゃんが彼らを助けるのですが、事情を知ると、"じゃあ私のもしもボックスを使って魔法のなかった世界に戻せばいい"と提案します。しかしそうすると魔界で捕まっているしずかちゃんたちはそのままになることに気がついたのび太たちは、助けることを優先したためこれを実行しません。
この時点において、1.科学のみの世界 2.魔法のみ世界 の2つの世界が存在していると思われがちですが、実際には、3.両方が共存している世界 が存在していて、のび太たちはそこに存在しています。 (補足: 映画の最後にもしもボックスで元の科学の世界に戻るのですが、それはまた新しい世界であると考えられます。つまり"過去に一度魔法が存在したが今はそうでない世界")
IF世界で科学が使用可能(魔界でドラえもんの道具がそのまま使える)+元の世界で魔法が使用可能(メデューサが科学の世界で魔法を使用)であることより、もしもボックスはシンプルに科学を魔法に置き換えただけでなく、全く新しいパラレルワールドを生成していることがわかります。
そして、魔界から元の世界にタイムマシンで戻ってきたというのは、パラレルワールド間上を超えてきたという解釈が可能です。
仮にドラミちゃんのボックスで魔法をなくした場合、しずかちゃんたちはブラックホールに飲み込まれたことになるのかというとそうではなく、彼女らは魔界星人に捕まったままになります。そもそも、ドラミちゃんの言った「ここでもしもボックスを使うとしずかちゃんたちは捕まったままになるわ」=「まあブラックホールに飲み込まれたことになるけどね」と解釈するのはあまりにも不自然ですよね。また決定的な理由として、メデューサが魔法がまだない世界に存在できる理由がないからでもあります。
ドラえもんの名言として"未来は変えることができるんだよ"的なのがありますが、これはつまり運命論を否定するもので、ひみつ道具使えば別の未来を作り出すことが可能になる、ということです。